企業年金ミニミニ講座 ~掛金はどうやって決まる?(1)~

『第2号』 2005.11.14

「適年の再計算で掛金が上がると思っていたら、幹事会社からの報告書では下がっていた」
お客様とお話をしていて、こんな話を耳にしたりします。
たとえ積み立て不足が生じていても、単純に再計算をすると「掛金が下がる」というのは(その掛金で適切かどうかは別として)起こりうる話です。
何故そのようなことが起こるのかお話する前に、そもそも適年や確定給付企業年金の掛金はどのように計算されているのか、企業年金の初心者の方にもわかりやすくお話ししてみたいと思います。

1.「標準掛金」と「特別掛金」

適年等の掛金には、「標準掛金(通常掛金、第一拠出金とも言う)」と「特別掛金(過去勤務債務等償却のための掛金、第二拠出金とも言う)」があります。この他確定給付企業年金では、次回再計算までに予測される不足額を償却するための特例掛金もあります。

(1)標準掛金
現時点(正確には掛金計算基準日時点)から将来の加入期間の給付に対して平準的(年齢の上昇に伴って掛金額が上昇しない、どの年齢もフラットな掛金額が適用される)に拠出される掛金で、予定利率のほか、予定脱退率(加入者の各年齢毎の退職確率)、予定昇給率(加入者の各年齢毎の昇給確率)等を使用して算出されます。予定利率により将来の利息分を割り引きますので、予定利率が低ければ掛金は上がることになります。又、同じ予定利率であっても、予定脱退率や予定昇給率、給付カーブ(勤続年数又は年齢と給付額とのカーブ)によって掛金は変動します。

(2)特別掛金
企業年金制度発足時社員の過去期間(入社から制度発足までの期間)に対応する給付や利差損(企業年金の実際利回りが予定利率を下回った場合に発生する損失)等を穴埋めするための掛金で、償却割合や期間に応じて設定されます。特例掛金については、後日あらためて解説いたします。

2.標準掛金と財政方式

標準掛金の計算方法は「財政方式」により異なります。
適年等の財政方式として、下記の4つが主に採用されています。

(1) 特定年齢方式
(2) 到達年齢方式
(3) みなし加入年齢方式
(4) 一時払積増方式

「特定年齢方式」は、主に100名以上規模の制度で採用される方式で「加入年齢方式(○○歳)」又は単に「加入年齢方式」と表記されることもあります。それ以外の財政方式は100名未満規模の制度で主に採用されます。
自社の企業年金がどの財政方式を採用しているかは、「契約協定書」や「適格要件明細書」等で確認することができます。又は、年金規定の掛金欄に、給与比例制やポイント制ならば「基準給与に○%を乗じた額」、定額制ならば「一人あたり○○円」と記載されているものは特定年齢方式です。その他の財政方式は加入者一人一人の年齢や加入年数等により掛金が異なるため、被保険者(加入者)名簿にのみ掛金が表示されます。 次回は、各財政方式についてご説明したいと思います。

(コンサルタント 猪刈香苗)


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