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国際会計基準審議会が退職給付会計基準見直しに関する公開草案を公表

国際会計基準審議会は4月28日に退職給付会計基準(IAS19:従業員給付)見直しに関する公開草案を公表しました。


主な改正内容

1.認識と表示

(1)積立状況の即時認識(遅延認識の廃止)

(2)費用の区分(債務および資産の変動すべてを包括利益で認識する)
①勤務費用(過去勤務費用を含む):損益計算書で認識
②金融費用(積立状況×割引率):損益計算書で認識
 ※期待運用収益率=割引率となる
③再測定費用:その他包括利益で認識
 ・確定給付債務(DBO)から発生する数理計算上の差異
 ・②に含まれる運用収益を除いた年金資産の運用収益
 ※リサイクルは行わない。

2.開示

以下の開示が追加。
 ・年金制度(債務・資産)の特性についての開示
 ・年金制度のリスクの開示(基礎率を見直した場合の影響を含む)
 ・複数事業主制度に関するより詳細な開示

3.その他の問題

 ・将来の昇給を給付の配分に織り込むこと
 ・年金額に関する物価調整の影響を債務測定に織り込むこと
 ・税や制度管理費用を債務測定に織り込むこと
 ・長期給付と短期給付の区分
 など


コメントの募集は2010年9月6日までで、完了は2011年中旬を目指している。
なお、ディスカッションペーパーでの主要なテーマであったキャッシュバランス・プラン(掛金ベース制度)については、今回の見直しに含まれず次の包括的な見直しに含めることとなり、検討の再開は早くとも2011年中旬以降となる。

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