会計基準最新情報

米国会計基準審議会(FASB)が複数事業主退職給付制度の開示についての公開草案を公表

FASBは2010年9月1日、複数事業主退職給付制度の開示についての公開草案を公表しました。


近年の運用環境の悪化を受けて、複数事業主制度について次の点について透明性を図るものです。

  • 複数事業主制度の情報
  • 複数事業主制度への会社の加入に関する情報
  • 複数事業主制度の加入によるキャッシュフローに関する情報

具体的な項目は以下を参照。
http://www.fasb.org/cs/BlobServer?blobcol
=urldata&blobtable=MungoBlobs&blobkey
=id&blobwhere=1175821218992&blobheader=application%2Fpdf
 

なお、退職給付会計基準に関して、従来はFAS87、FAS88(清算縮小)、FAS132(開示)、FAS158(会計処理)と分散されていたが、現在はCodificationとしてまとめられて開示されている。今回の改定案については、Codificationのうち、
Expense
 -715(Compensation-Retirement Benefit)
  -80(Multiemployer Plan)
に関連した改訂ということになる。

【主な開示項目】

a 雇用主が加入している制度の数

b 個々の具体的な制度名

c 下記の説明:
 1 制度加入のリスクと不確実性
 2 給付の内容・水準
 3 雇用主の理事会への関与
 4 拠出を停止した場合の影響
 5 積立不足の回復状況

d 下記の2点を含んだ、期間ごとの変化について、その特徴と効果の説明
 1 会社の合併や分割
 2 雇用主の拠出率

e 当期および前期の、制度全体の総資産額と累積給付債務(ABO)

f 当期および前期の、雇用主の拠出額が制度全体の総拠出額に占める割合

g 下記の全てを含む、協定上の取り決めの説明
 1 現在の協定条件
 2 将来の各年度における拠出額
 3 協定で決められた最低拠出額

h 制度によってカバーされている従業員の割合

i 雇用主の制度加入に関する量的な情報。例えば、加入者に占める割合

j 当期における拠出額

k 翌期の予想拠出額

l 剰余金や不足金が将来の拠出に与える影響も含めた、拠出に関する動向

m 制度からの脱退や制度の解散時において、追加の支払いが必要である場合の以下の情報
 1 解散時の積立不足や剰余金の会社間での割り当てについての詳細。
 2 制度からの脱退の際に支払う必要な額についての最新情報。
 3 2の金額が入手不可能の場合、制度の総拠出額の割合や制度でカバーされている加入者の割合等の情報。

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